摩崖仏 願い不動明王
石仏群に向かう途中、臼杵石仏参道入口より手前にあり先に参拝しました。
高さ約2メートル、摩崖仏の不動明王です。
不動明王の隣には、小さな石仏のお姿があります。
駐車場から参道入口へ向かう、お土産売り場などが並ぶ道の途中に「願い不動明王」と書かれた看板があり、そこを少し山へ上がると不動明王坐像があります。
国宝・臼杵石仏(摩崖仏)
磨崖仏とは自然の巨石や岩壁に彫刻した仏像のことで、大分県内にはいくつかの地域に残っています。
臼杵石仏(磨崖仏)は、平安時代後期から鎌倉時代にかけて彫刻されたと言われています。 規模、数量、質の高さにおいて、日本を代表する石仏群であり、平成7年には磨崖仏では初めて国宝に指定されました。
磨崖仏のなかでも臼杵石仏ほど立体的に彫られているものは珍しいとのことです。
石仏群は、ホキ石仏第1群、ホキ石仏第2群、山王山石仏、古園石仏の4群に分かれています。
石仏造営に関する史料は一切残っておらず、誰が何のために造ったのかはわかっていないとのことです。
説としては、豊後の武士団、豊後大神一族・臼杵氏が関わっていた説。
真名野長者と呼ばれた豪族が中国から蓮城法師を呼んで磨崖仏群を造立した説などがあります。
ホキ石仏第二群
ホキとは、「がけ」という意味の地名。4つの石群の中で一番低い位置にあります。
存在感のある阿弥陀如来像。平安時代後期の作と言われています。
パンフレットには「毅然とした表情は彫技の冴えを感じさせる傑作」と書かれています。
「九品の弥陀」と呼ばれる小さな仏像群。
不動明王のお姿もあります。
ホキ石仏第一群
ホキ石仏第二群を少し登るとホキ石仏第一群があります。
如来三尊像が3体、合計9体並んでおり、いずれも平安後期の作とされます。
台座には願文や経巻を納めたとされる円や四角の穴が開いています。
地蔵十王像は鎌倉時代の作。中尊に地蔵菩薩、両脇に5体ずつの十王像。
山王石仏群
中尊に如来坐像、左右にも脇尊として如来像を配する珍しい形式で構成されています。
この時は仏様のクリーニングの為、紫外線照射が行われていました。紫外線を当てることで着生生物類(苔類)を枯死させることができるとのことです。
古園石仏
古園石仏は臼杵石仏の中心的存在で平安後期の作と言われています。
特に、中尊の大日如来は日本の石仏の中で最高傑作の1つとされています。
崩壊や破損がはなはだしかったのですが、修復工事により平成5年に大日如来の仏頭が復位され荘厳な姿に戻りました。
古園の石仏群は岩でない部分があり、腰部分から下は浸食により形がないものが見られます。
日吉神社
古園石仏群へ向かう途中に参道があります。小高い丘の上にあり、山を少し登ります。
御祭神は大山咋神。
ご利益は商売繁盛、厄除け、縁結び、夫婦和合、家内安全、開運などとのことです。
おわりに
「臼杵石仏」は、臼杵市の街中から少し離れた静かな山あいにあり、緑の豊かでのどかな農村集落に癒されます。
隣接する石仏公園では四季折々の花々が咲き誇り、特に毎年7月~8月に、蓮畑で綺麗な蓮の花が咲き見事だそうです。
大分県内にはいくつかの地域に摩崖仏が残っていますが、臼杵石仏は規模、数量、質の高さにおいてどれも秀でているとのことです。
広い駐車場、お土産物売り場、レストランもあります。
アクセス
住所:〒875-0064 大分県臼杵市大字深田804-1
臼杵駅からバスで20分、タクシーでは10分、レンタルサイクル利用40分
年中無休 9:00 ~ 17:00(最終入館16:30)
大人(高校生以上) 550円
小人(小中学生) 270円
TEL:臼杵石仏事務所 0972-65-3300
HP https://sekibutsu.com/
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