恐山の不動明王:本州最北の霊場で、地獄めぐりの入り口を守る不動明王

不動明王

恐山の地獄巡りの入口を入って、すぐ右手方向に山を少し登ったところに在る不動明王です。山の登り口には「熊出没注意」の看板が・・・。

 

恐山

恐山霊場

青森県の下北半島にある日本三大霊場の一つで、イタコによる死者の声を聞ける「口よせ」が有名。
天台宗の慈覚大師により霊山として開山されたと伝えられています。慈覚大師が唐で修行中に、夢枕に立った高僧の「汝、国に帰り、東方行程三十余日の所に至れば霊山あり。地蔵尊一体を刻し、その地に仏道をひろめよ」というお告げに従って開いたと言われています。

恐山

 

恐山という山は存在せず、「宇曽利(うそり)湖」を中心とする釜臥山、大尽山などの八峰を総称して「恐山」と呼んでいます。
岩場から硫黄泉が湧出し、荒涼とした地獄のような景色が広がり、無間地獄金堀り地獄賭博地獄など136の地獄があります。それらをめぐって、死者の成仏を願うのが、「恐山」のお参りです。めぐるのにかかる所要時間は約40分ほどです。

恐山

 

地獄めぐり

賽の河原
一帯に積み上げられた石は、親より先に亡くなった子どもたちが、あの世で親不孝を詫びるために、自分の身長まで積み重ねていくという苦行を表現していると言われています。

恐山

恐山

 

地獄巡りでは、やはりカラスの姿が多くみられました。

恐山

恐山

 

地獄めぐりの中で点在する仏様

荒涼とした景気の中で、仏像のお顔は穏やかで優しいものばかりです。

恐山

恐山

恐山

 

宇曽利(うそり)湖

地獄めぐりの途中に広がる火口湖。強い酸性で、エメラルドブルーからエメラルドグリーンと、刻々湖面が変化する美しい湖です。

 

強い酸性の水質(ph3.2~3.6)は、人間の歯のエナメル質が溶けるほどの数値で、生物が住むことが難しいとされていますが、その中でも唯一「ウグイ」という魚のみ生息しています。ウグイのエラには、酸性の水質を無害な数値に変える特質があるようです。

 

宇曽利湖畔には白くきれいな砂浜があり、「極楽浜」と呼ばれています。

極楽浜

 

宇曽利湖畔には、たくさんの風車が刺さっています。これは亡くなった子供たちが寂しくないようにと刺さっているものだそうです。

 

恐山冷水

恐山まであと約4キロメートルほどの場所に湧き出ている「恐山冷水」。
不老不死、長寿、若返りの水として知られています。
1杯飲めば10年若返り、2杯飲めば20年若返り、3杯飲めば死ぬまで若返ると言い伝えられています。恐山へ向かう公共の路線バスも、ここで少し停車してくれました。

恐山冷水

恐山冷水

おわりに

恐山地獄めぐりは、荒涼とした霊場ですが、不思議と怖さはなく、寂寥として美しい風景が拡がります。特に宇曽利湖の湖面の美しさは、目の前で刻々と色が変化して飽きません。

そこにある不動明王は、気をつけないと順路を見落としてしまいそうですが、自分が拝見してきた中でも、最も心惹かれる不動明王で、ぜひ足を運んで思います。

そして、青森県といえば「青森ねぶた祭」が有名ですが、恐山を訪れた後に訪れた「ねぶたの家 ワ・ラッセ」の様子です。

ねぶた祭り

 

力強い、極彩色の世界が恐山と対照的です。

ねぶた

ねぶた

八甲田山にある「酸ヶ湯(すかゆ)温泉」にも足を延ばしました。

酸ヶ湯温泉

 

ヒバ千人風呂」と呼ばれる混浴の大浴場が有名です。

 

ここで、玄関入って正面に展示されていた、「棟方志功」の版画の仏様に目が留まりました。

棟方志功

棟方志功

 

アクセス

アドレス:〒035-0021 青森県むつ市田名部宇曽利山 

JR東日本、大湊線下北駅から下北交通バス恐山線で40-43分

問合せ:恐山寺務所 0175-22-3825

開山:5月 1日 から 10月中旬 6:00 ~ 18:00 10月中旬 から 10月31日 6:00 ~ 17:00

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