椿大神社(つばきおおかみやしろ)
伊勢国一之宮の「椿大神社」は三重県鈴鹿市に鎮座し、日本最古の神社の一つといわれています。
全国に2000社以上あるといわれる「猿田彦大神(さるたひこのおおかみ)」を祀る神社の総本社で、猿田彦大本宮ともよばれます。
「開運みちびきの神様」として知られ、交通安全や無病息災、商売繫昌などを祈願する参拝者が全国から訪れるます。
また、猿田彦大神の妻である女性の神様「天之鈿女命(あめのうずめのみこと)」が別宮に祀られており、芸能の神様、縁結びの神社としても人気があります。
本殿周辺
本殿・拝殿
御祭神は猿田彦大神。
他にも、天孫瓊々杵尊、栲幡千々姫命、木花咲耶姫命、天之鈿女命、行満大明神など合わせて三十二もの神様が祭られています。
御利益は、厄除開運、土地家屋敷安泰守護、無病息災、交通安全、商売繁盛とされています。
鉄砲柱
拝殿に向かって左横には、相撲部屋にある鉄砲柱が奉納されいています。
千葉県松戸市にある大相撲・佐渡ヶ嶽部屋から奉納されたもので、高さ160センチ、直径22センチの柱で、相撲の稽古のひとつ「つっぱり」を受け止めるための練習道具です。
参拝者は実際に触ることができます。背後のプレートには「氣魄」と大きく書かれています。
社務所
本殿に向かて左側にある社務所。
ご祈祷の受付、御朱印の授与、お札やお守り、おみくじなどの授与所となります。
猿田彦大神(さるたひこのおおかみ)
猿田彦大神(さるたひこおおかみ)は、天照大御神の孫にあたる「瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)」が天孫降臨をした際に、九州の高千穂まで導いた神様とされています。
そのため、人生を良い方向へ導いてくださる開運、道開きの神様として敬われています。
参道には地球をかたどった丸い石に乗る猿田彦大神の石像があります。
別宮 椿岸神社
椿岸神社
椿大神社の本殿の隣にある「椿岸神社(つばききしじんじゃ)」。
御祭神である「天之鈿女命(あめのうずめのみこと)」は、天照大神が天の岩戸に隠れ国が暗くなったときに、岩戸の前で舞を踊り、天照大神を天岩戸から誘い出した女神です。
そのため、芸能の神様として芸能関係の方たちの崇敬を集め、また猿田彦大神の妻でもあることから夫婦円満、縁結びの神として人気があります。
扇家
使わなくなった芸能関係のものを奉納する場所です。椿岸神社の敷地内に在ります。
芸能、習い事が行う方々が古くなった扇子、茶筅、筆などを感謝と慰霊を込めて納めます。
招福の玉
こちらも椿岸神社の敷地内に在ります。
台座の上にある玉を撫でながら「払え給え、清め給え、六根清譲(ろっこんしょうじょう)」と三度唱えてお祈りすると願いが叶えられると言われています。
かなえ滝
椿岸神社のすぐ近くにあり、清らかな水が滔々と流れ落ちる「かなえ滝」。
この滝の写真をスマホの待ち受け画面にすれば、願い事が叶う、恋愛が成就するなど言われています。
かなえ滝の上流には、禊払いの場であり、万病に効果があると言われる神水が湧く「金龍明神滝」があります。
現在、金龍明神滝は一般の人は立ち入ることができない禁足地となっていますが、その神水がかなえ滝に流れてきています。
かなえは滝には柄杓が置かれてあり、神水を飲んでいく人の姿も見られます。
滝の脇にも、蛙の姿があります。
滝から流れ落ちた水は、小川となって境内を流れています。
参道
獅子堂に向かって右側が参道の入り口となります。
手水舎には蛙の姿が。他にも境内の至る所に蛙の姿が見られます。
蛙は猿田彦大神の使いだそうです。
参道の途中には恵比寿様と大黒様も祀られています。
「断り乃鳥居」
入口から拝殿までの中間にある、石造りの鳥居。
江戸時代中期、この地方の藩主であった本多氏は、城門を作るために椿大神社の御神木を勝手に伐採し、その後城門は完成したが一夜にして焼け落ちてしまったとのこと。
神様の祟りを恐れた藩主がお詫びに奉納したと伝えられています。
さらに進むと鳥居の先に拝殿が見えてきます。
獅子堂
聖武天皇の勅願により獅子頭が奉納された事から獅子堂と名づけられたそうです。
猿田彦大神は交通安全の神としても知られ、獅子堂では交通安全祈願、車祓いが行われます。
高山土公神陵
鳥居の先にある小山は前方後円墳で、猿田彦大神のお墓とされています。
御船磐座
「御船磐座」は、謡曲「鈿女(うずめ)」にうたわれている神代の神跡です。
この地に天孫瓊々杵尊の乗った御船が到着されたと伝承されている場所です。
御船磐座は禁足地となっており、立入る事はできません。
御船磐座の中心にある3つの石は、真ん中が猿田彦大神、左が瓊々杵尊、右が栲幡千々姫命(瓊々杵尊の母)の降臨石とされています。
行満堂神霊殿
猿田彦大神の末裔とされる「行満大明神(ぎょうまんだいみょうじん)」や、延命長寿の神である「寿老神」が祀られています。
行満大明神は猿田彦大神の子孫神で、修験道の元祖として役行者を導いたといわれています。
修行・学業・事業・目的達成守護の神様として信仰されています。
こちらの敷地内にも蛙の姿がいくつも見られました。
松下幸之助社・鈴松庵
鈴松庵
現・パナソニック(旧松下電器・ナショナル)創業者で、経営の神様と言われている「松下幸之助」さんにより、茶道の発展を祈念して庭園ととも寄進された茶室です。
松下幸之助社
松下幸之助さんの没後、椿大神社の境内に神様として祀られ、松下幸之助社が建立されています。
松下幸之助さんは椿大神社を深く信仰し、足しげく通ったそうです。昭和の大造営の際にも多額の寄進をされました。
仕事運向上のご利益があるとされています。
椿延命地蔵尊
平安後期の作といわれる地蔵尊が三体祀られています。昔から難病に効果があることで有名な地蔵堂です。
隣には素朴なお地蔵様が多数祀られています。
二体の龍の姿もありました。
椿護国神社・懸主神社
椿大神社境内の西側に、摂社である椿護国神社と懸主神社が隣合わせで鎮座しています。
「懸主神社」
御祭神は倭建命(やまとたけるのみこと)、建貝児命(たけかいこのみこ)。
「椿護国神社」
龍神三社巡り
椿大神社の敷地内には「庚龍神社」「龍蛇神両地神社」「椿立雲龍神社」が鎮座し、「龍神三社巡り」ができます。
龍蛇神両地神社
椿岸神社のすぐ隣、東南側に祀られています。
御祭神は「龍蛇神」、大国主命の御使神とのことです。また、「両地」は猿田彦大神のことだそうです。
御利益は火難除け、水難除け、土地の災難除け。また、財運、身体堅固に霊験あらたかとのことです。
椿立雲龍神社
行満堂のすぐ近くに祀られています。
御祭神は「立雲龍神」。子育ての神・虫封じの神・腫物除去の神として崇められているとのことです。
庚龍神社
獅子堂の前に祀られています。
御祭神は「金龍龍神」、「白龍龍神」、「黒龍龍神」。
樹齢四百年と伝えられる樅の木に龍神が宿り、神域全般を守り給ったとの伝承があるとのことです。
おわりに
椿大神社に参拝することにより、開運、縁結び、御神水の滝でパワーチャージと大満足の一日になります。
三重県で神社といえば有名な「伊勢神宮」がありますが、椿大神社も素晴らしいお勧めの神社です。
参拝の後には、参集殿では休憩することができます。
ロビーでは、神社に古くから伝わる文書や資料などが公開されています。
売店がありお土産を買うことができます。
名物の「とりめし」、「伊勢うどん」などを味わうことができます。
アクセス
住所:〒519-0315 三重県鈴鹿市山本町1871番地
TEL:059-371-1515
車でのアクセス:東名阪自動車道・鈴鹿ICより約7分
近鉄四日市駅下車:三重交通バスにて椿大神社行き 約55分
JR四日市駅下車:三重交通バスにて椿大神社行き 約1時間
近鉄平田町駅下車:鈴鹿市C-BUSにて椿・平田線 約50分
JR加佐登駅下車:鈴鹿市C-BUSにて椿・平田線 約40分
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