高幡不動尊
「高幡山明王院金剛寺」は関東三大不動尊の一つであり、高幡不動尊(たかはたふどうそん)として親しまれています。平安時代初期に慈覚大師円仁が、清和天皇の勅願によってこの地の山中に不動堂を建立し、不動明王を安置しました。
後に、建武2年(1335年)、大風によって山中のお堂が倒壊したのを、麓に移し建てたのが現在の不動堂です。続いて建てられた仁王門とともに重要文化財に指定されています。
境内約4,000坪、隣接する山林を合わせると3万坪の広大な敷地で、初夏にはアジサイ、秋には紅葉が見事です。
時節柄、仁王門の仁王様もマスク姿でした。
不動堂
不動堂は東京都でも最古の文化建造物です。
内部に安置されている「新丈六不動三尊」は、平成12年から14年にかけて行われた「丈六不動三尊」の1000年ぶりの修復作業の際、不動明王像が不在のために、平安後期の様式を忠実に、身代わりに造立された不動明王です。
(パンフレットよりのお姿)
奥殿(寺宝展)
千年ぶりの修復を終えた「丈六不動三尊像」を中心にたくさんの文化財を収蔵・展示する為の御堂で1階が展示室、2階が収蔵庫になっています。
平安時代作の御本尊「丈六不動三尊」です。火防の不動尊、汗かき不動尊などと呼ばれ、数々の霊験が伝えられています。向かって右に矜羯羅童子(こんがらどうじ)像、左に制吒迦童子(せいたかどうじ)像があります。不動明王が大きな仏像はいくつかありますが、この不動明王の脇仏にあたる2人の童子像がこんなに大きいのは大変珍しいそうです。堂内は写真撮影は禁止です。
(パンフレットよりのお姿)
奥殿の隣にあるのが「上杉憲顕公墳」という篇額が掲げられている小さなお堂。室町時代の武将・上杉憲顕(憲秋)のお墓です。
山内八十八ヶ所巡り
四国八十八カ所の参拝を、約一時間で出来る「山内八十八ヶ所巡り」が、境内から続く裏山にあります。
裏山には、88ヶ所、88体の弘法大師像がまつられていて、山アジサイが群生しています。
88番目の大師像の隣にある大師堂の前には「お砂ぶみ石」と呼ばれる石が置かれています。この石の下には、四国八十八ヶ所の砂がまとめて埋められていて、この石の上でお参りすると、八十八ヶ所のご利益が一度に受けられると言われています。
境内にある様々なお堂
(大日堂)
高幡山明王院金剛寺は新選組副長、土方歳三の菩提寺で、高幡山の総本堂、大日堂には位牌が納められています。平安中期の大日如来や天井の鳴き龍が見られます。
境内には土方歳三の銅像もあります。
(五部権現社)
金剛寺の鎮守社で、境内の奥まったところにあります。源頼義が奥州反乱鎮圧に際して八幡社を勧請し、後に稲荷・丹生・高野・清龍権現を合祀し五部権現と称したといいます。
(五重塔)
高45mの高さ、平安様式の美しい塔です
(聖天堂)
聖天様は歓歓天(かんぎてん)とも呼ばれ、象頭人身の男女二神が抱擁しているお姿です。夫婦円満・恋愛成就の神、事業反映・商売繁盛の 神様として信仰されています。
(お鼻井戸)
聖天堂の近くにあります。
建武2年(1335年)、大風によって山中のお堂が倒壊したときに、倒れた不動明王が鼻をついた場所といわれています。
(弁天堂)
弁天池の島に建つ朱塗りの小堂で、福徳弁財天を祀っています。ご利益は、金運・財運や縁結び、学業成就です。
境内の様々な石仏、石像
(大観音像)
(弘法大師像)
(にこにこ地蔵)
その他にも、仏像、石仏がひっそりと祀られています。
境内のアジサイ
広い境内と、裏山の八十八か所巡礼路には約250種7,500株のアジサイが咲き誇ります。
約30,000坪の境内に、ガクアジサイ、西洋アジサイ、縦長に花をつけるカシワバアジサイなどが異なった色合いを見せています。山内八十八ヶ所の巡拝路の一部「四季の道」ではヤマアジサイを鑑賞することができます。
毎年6月初旬から7月初旬まで「高幡不動尊あじさいまつり」が開催されます。
おわりに
関東三大不動の一つとされ、初夏にはアジサイ、秋には紅葉の名所としても知られる古刹です。
私鉄、京王線で都内からのアクセスも便利で、「高幡不動駅」を出るとすぐ参道です。
重厚な丈六不動三尊は威厳と迫力があり、見ごたえのある不動明王様です。
また、四国八十八か所巡りをしたのと同様のご利益を受けられる「山内八十八ヶ所巡り」は、山アジサイの咲く季節に訪れるのがお薦めです。
アクセス
住所:〒191-0031 東京都日野市高幡733
京王線・多摩都市モノレール「高幡不動駅」下車 徒歩5分
TEL:042-591-0032
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