龍泉寺
奈良県の奥、天川村洞川に在る、大峯山龍泉寺。
修験道の道場でもある真言宗醍醐派の寺院。「近畿三十六不動尊第三十一番の札所」でもあります。
洞川温泉街のすぐそばにあります。大峰山(山上ヶ岳)に登る修験者は、登拝前に龍泉寺の滝場で水行し、安全を祈願するそうです。
「役行者(えんのぎょうじゃ)」が大峯山で修行していた頃、麓の洞川に下りたさい、この地に湧き出る泉を発見し、これを「竜の口」と名付け、そのほとりに「八大龍王」をお祀りしたのがはじまりとされています。
境内に在る役行者の像
本堂
本堂には、御本尊である「弥勒菩薩」が祀られています。
本堂の入口には、役行者が従えたとされる「前鬼(ぜんき)」と「後鬼(ごき)」の像が左右に立っています。役小角が従えていたとされる夫婦の鬼です。
夫である前鬼
妻である後鬼
本堂内には「賓頭盧尊(びんずるそん)」も祀られています。
八大龍王堂
現在は、交通安全、海上安全の守り神、家業繁栄の神として多くの方がお詣りに訪れます。
竜の口
役の行者が発見したと伝えられる湧水の湧き口で、水温は常に10度℃。「一の行場」である水行場の龍泉池を経て、山上川に流れ出ます。
湧き出る水を口にすると病気がなおるという言い伝えがあり、この霊水を求めて、多くの人が訪れます。
傍らには「善女龍王」の像が祀られています。
修験者が入峯の前に必ず行って身を清める水行の場。「一の行場」である水行場の「龍泉池」、龍口から水が湧きだし、「役小角」、「不動明王」が祀られています。
池の中に祀られている「弁天堂」。
龍王の滝
「龍王の滝」と呼ばれる、滝に打たれる行を行う場所。
傍らには不動明王の石仏が祀られています。
滝のそばに女性用・男性用にわかれた脱衣所が設置されています。
場所は境内の奥、こちらを少し登ったところに在ります。
なで石
境内の本堂前の木枠の中に置かれた丸い石「なで石」です。なでて持ち上げるとと軽く持ち上がり、叩いて持ち上げると重くなると言う不思議な石です。元来、占いに用いたものらしく、願いがかなうときは軽く、かなわないときは重いと言われています。
境内に鎮座する不動明王
境内には不動明王のお姿がたくさん見られます。
「柴燈護摩(さいとうごま)道場」。柴や薪を積み重ねて点火し、神聖、清浄な火の中に本尊不動明王を勧請する、修験道の祈禱儀式が行われる場です。
洞川温泉街
龍泉寺のある奈良県、洞川にはノスタルジックな雰囲気の洞川温泉郷があり、二十数軒の旅館や御土産物屋、食事処が軒をつらねます。
夜はまた雰囲気が変わります。
洞川温泉の中心を流れる川にはニジマスがたくさん泳ぎ、季節には蛍が舞うそうです。
村営、「洞川温泉センター」、洞川温泉街の入口にある温泉施設です。吉野杉を使った建物や桧の浴槽、露天風呂を楽しみながら、ゆったりと温泉に浸かることができます。
神経痛・筋肉痛・関節痛・運動麻痺・慢性消化器病・冷え症などに対して治癒効果があり、大峯山の登山者たちの、登山後の疲労回復に利用されてきたそうです。
おわりに
吉野郡天川村大字洞川にある「大峰山(山上ヶ岳)」は今でも日本で唯一、女人禁制は続いている修験道の御山です。
御山に登拝する前に行者が必ず訪れ、身を清めていく「龍泉寺」は広い境内に見どころもたくさんあり、秋は紅葉が綺麗とのことです。
また、趣のある洞川温泉街もすぐ近く、温泉も楽しめます。
同じく吉野郡天川村に在る、人気の「天川大辨財天社」も一日で併せて訪れることができます。
アクセス
〒638-0431 奈良県吉野郡天川村大字洞川494
近鉄吉野線、下市口駅下車→奈良交通バス(洞川温泉行)で終点、洞川温泉下車 、バス停より徒歩5分。
お問い合わせ 龍泉寺 TEL 0747-64-0001
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