谷の湯（たにのゆ）
大分県、別府市の「鉄輪温泉」エリアにある共同浴場です。いでゆ坂から少し南に入ったところにあります。平田川沿いにあり、川に向かって降りて行った場所にあることから「谷の湯」という名前になったそうです。
脱衣所と浴室が一緒になっていて、コンクリート造りの湯船が１つあるだけのシンプルな造りです。
浴室に祀られた不動明王様
そして男湯のみですが、湯船の横にある台座に「不動明王」が、お隣には「お地蔵様」が祀られています。
不動明王といえば、強面のお顔が思い浮かびますが、こちらの不動明王様は少し愛らしいお顔です。
年に2回、8月21日と3月21日に浴室からお出しして、お坊さんにお経をあげてもらうとのことです。
お隣のお地蔵様２体も、素朴なお姿です。
「谷の湯」は民家の１階部分にありますが、坂の途中にあるため建物的には半地下といったかんじで、浴室には階段を下っていきます。
受付は浴場の隣の建物にあります。灰色のパイプを通じて、その先にあるカゴにお金を入れる仕組みです。
鉄輪温泉（かんなわおんせん）
鉄輪温泉の街並み
温泉県、大分県の「別府八湯」とは、八つの温泉郷（浜脇温泉、別府温泉、観海寺温泉、堀田温泉、明礬温泉、鉄輪温泉、柴石温泉、亀川温泉）の総称です。
温泉の湧出量83,058リットル、源泉数2,217ヵ所、ともに日本一です。
その中のひとつで、市街の北西に位置する「鉄輪温泉」は、「一遍上人」が開湯したと伝えられ、湯治場の風情とレトロな街並みが残る温泉街です。
街のあちらこちらで温泉の湯煙りが上がっています。
道路や脇の側溝、街を流れる川など、至る所で温泉の蒸気が噴き出しています。
地獄蒸し
摂氏98度の温泉の噴気を利用した調理法です。鉄輪温泉の源泉は100℃近くあり、ミネラル豊富とのことです。
「地獄蒸し」の調理法は江戸時代からあり、「地獄蒸し釜」と呼ばれる約100度の蒸気が噴き出す釜を用います。
泊まったホテルにも地獄蒸し釜があり、自由に使うことができました。ザルや食器、箸、フォークなども無料で使わせてもらえました。
様々な野菜・肉・魚・卵・饅頭などの材料をザルにのせ、天然のスチームで蒸し上げます。蒸気が噴き出す釜の中に入れ、蓋をするだけです。材料は近くのスーパーなどで購入できます。
塩分を含む温泉の蒸気で一気に蒸すため、食材本来の旨味が閉じ込められ、そのままで美味しかったですが、ポン酢やマヨネーズなの調味料も用意されていて、自由に使えました。
鉄輪温泉の宿泊施設、ホテル、民宿にはそれぞれの地獄蒸し釜を持っているところが多いようです。
別府
別府温泉
別府八湯の一つ、JR別府駅から拡がる市街地にある温泉地。別府を訪れたら、観光の拠点として、このエリアのホテルに泊まることが多いでしょう。
駅前には別府JR別府駅を出ると、別府観光の生みの親「油屋熊八」さんの銅像があります。
両手を挙げ子鬼を連れた姿で、訪れた１２月にはサンタクロース姿でした。
油屋熊八さんは、明治時代に別府を一躍有名観光地にした方です。
駅の近くには、市場やレトロな雰囲気の商店街もあり楽しめます。
竹瓦温泉・別府高等温泉
大小様々な共同浴場がありますが、中でも有名なのはこの２つです。
竹瓦温泉
明治12年創設で、正面は唐破風造（からはふづくり）の豪華な屋根をもつ市営の共同温泉。登録有形文化財に登録され、近代化産業化遺産にも認定され、別府温泉のシンボル的な存在となっています。
竹瓦温泉のすぐ近くには、日本最古の木造アーケード「竹瓦小路」が伸びていて、夜は特に素敵な雰囲気です。
駅前高等温泉
別府駅東口から、駅前通りを約５分歩くとすぐ見えてくる小さな大正洋館風の建物。
約90年前の建物で今も営業している町の共同浴場「駅前高等温泉」です。二階には格安で泊まれる素泊まり宿も併設されています。
おわりに
不動明王様に見守られ（見られ？）ながら、身も心も裸で入るレトロな温泉は、源泉かけ流しの良質な湯でリラックスできます。
谷の湯のある鉄輪温泉は、できれば民宿などに宿泊して湯治気分を味わい、宿の地獄蒸し釜で、自分で地獄蒸し料理を作ると楽しいと思います。
アクセス
住所：大分県別府市北中1組8
電話番号：なし
営業時間：06:30～21:00
定休日：年中無休
入浴料：150円
泉 質：塩化物泉
効 能：神経痛・筋肉痛など
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