首里金城の大アカギ:首里城下に残る、年に一度、神様が降りてきて、願いを叶えてくれる大アカギ

首里金城の大アカギ

首里城の南、「内金城御嶽(うちかなぐすくうたき)」に、推定樹齢200年以上と思われるアカギの大木が5本自生しています。その中に、年に一度、「神様が降りて願い事を聞いてくれるといわれる大きなアカギの木」があり、パワースポットとして注目されています。

 

内金城御嶽、首里金城の大アカギへの目印はこの石碑です。

 

この石碑の横に、内金城御嶽へ降りて行く道があります。

 

 

内金城御嶽(うちかなぐすくうたき)

内金城御嶽は那覇市首里金城町(きんじょうちょう)にあり、推定樹齢200年以上の大アカギが残る拝所で、格式高い御嶽の一つであり、琉球王府の信仰対象でした。

御嶽(うたき)とは沖縄の聖域のことで、神に祈る場所です。有名な御嶽としては、世界遺産に登録された「斎場御嶽(せいふぁうたき)」があります。
県内には数百の御嶽があると言われていますが、石ひとつだけのものから、島全てが御嶽となっている所、琉球王府の御嶽、集落のための御嶽など規模や形は様々です。

内金城御嶽では、赤い柵を囲んだ石積みの門が祈願をする場所で、拝所(うがんじゅ)と言います。赤い柵、石門の奥にご神木の大きなアカギあります。

 

 

神が降りて願いを聞いてくれる大アカギ

境内の5本のアカギの大木の中で、敷地の一番奥にある大木(写真)には、「旧暦6月15日に神が降りてきて願い事をすると聞いてくれる」という言い伝えがあります。推定樹齢300年の巨木で、根本にぽっかり大きな穴が空いていて祠のようになっています。

 

看板には、「旧暦6月15日に神が降りてきて願い事を聞いてくれるという言い伝えがあるので、年にひとつだけ願い事を話されてみて下さい」と書かれています。さらに、「この場所は考える力が授かる場所」でもあるそうです。

 

大アカギは、どれも幹の高さは約20mほどあります。アカギは沖縄県内では普通に見られる樹木ですが、このような大木群が住宅地に見られるのは内金城嶽境内のみで、「首里金城の大アカギ」として国の天然記念物に指定されています。

現在、拝所の後ろ、神が降りる大アカギの生える辺りは立ち入り禁止です。

 

 

立ち入り禁止の柵の所から大アカギを見ていると、白い猫が一匹ゆっくり現れて座り、目が合うようにじっとこちらを見てました。

 

鬼餅伝説の発祥の地

内金城御嶽には西側に、もう一つ「ムーチー(鬼餅)伝説」の由来を伝える御嶽があります。
「ムーチー(鬼餅)」とは、旧暦の12月8日に月桃やクバの葉で包んで蒸したお餅を神仏におそなえし、子どもの成長を願い、厄払いをする行事です。ニン(月桃)の葉に包んで蒸した餅を軒下などに下げ、邪気を払います。

 

鬼餅」の由来、沖縄の古い民話です。
琉球王朝の都、ある男が、夜な夜な鬼に化け、村人や家畜を襲うようになりました。
それを知った男の妹が悲しみ憂いて、鉄釘入りのお餅を兄に食べさせ、弱ったところをこの崖の上から叩き落して退治したという物語です。鬼退治にお餅が使われたので「鬼餅」と呼ばれるようになったとされています。

2つの御嶽の間は、小さな広場のようになっていて、由来を伝える石碑、看板やベンチがあります。

 

 

首里金城町石畳道

内金城御嶽、大アカギへは「首里金城町石畳道」からも辿ることができます。

 

 

 

首里金城町石畳道」は、16世紀に首里から那覇港沖縄本島南部へ通じる主要道路として造られた「真珠道(まだまみち)」の一部です。
琉球石灰岩による石畳道で、当時は総延長約10kmにも及んだ道でしたが、現在では約300mの石畳が残されています。

 

周辺には赤瓦家が並び、琉球王国時代の歴史を感じながら、散策を楽しむことができます。沿道の石垣は琉球石灰岩を用い、沖縄独持の石積みの手法である「あいかた積み」で積まれており、石畳と調和して風情を残しています。

 

 

内金城御嶽、大アカギへの行き帰りのどちらかで、「首里金城町石畳道」を使うのがお勧めです。

 

瑞泉酒造

首里駅から内金城御嶽、大アカギへ向かう途中に泡盛の蔵元、「瑞泉酒造」があります。

 

県内に数多くある酒造所の中でも老舗として知られる瑞泉酒造。こちらでは、工場の見学ができます。

 

 

 

泡盛の作り方を知れるだけでなく、無料で古酒の飲み比べもできます。

 

泡盛、リキュールの購入もできます。

 

瑞泉酒造株式会社 | 瑞泉酒造株式会社 (zuisen.co.jp)

首里そば

また、首里駅からの途中には、沖縄そばの人気店「首里そば」があります。
県内外の客が訪れる人気店で、つねに待ちの列が絶えません。

 

 

古民家を改装したお店です。

 

おわりに

看板によると、「340年前、この森を通る度に村人が霊気に打たれるので、これはただ事ではないと琉球王府に願い出て拝所を置き、神々と王府の交流の場となった」とあります。

 

第二次世界大戦以前は首里城内・城外にはアカギの大木が生育していましたが、沖縄戦でほとんどが焼失してしまいました。
その中で奇跡的に焼け残った「首里金城の大アカギ」と呼ばれる巨木アカギ群は、国の天然記念物にも指定され貴重なものです。

アクセス

住所:903-0815 沖縄県那覇市金城町3-18、3-20 付近

那覇空港から「ゆいレール」に乗車。首里駅で下車徒歩19分。路線バス(4番15番)石畳入り口バス停下車徒歩2分。

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