室生龍穴神社・吉祥龍穴:日本三大龍穴の一つ、朝廷の病気平癒祈祷、雨乞い祈願が行われた場所、神社

室生龍穴(むろうりゅうけつ)神社

奈良県の「室生寺」から、室生川沿いに1kmほど先にある室生龍穴神社

室生龍穴神社

 

奈良時代から平安時代にかけて、雨乞いの神事が頻繁に行われた社格の高い神社です。
二本の杉の巨木の先に鳥居があります。

室生龍穴神社

 

室生龍穴神社拝殿

室生龍穴神社

 

ご祭神は、日本書記に登場する、慈雨を降らす山の水神様「高龗神(たかおかみのかみ)」と、仏教における龍を統率する女神様「善女龍王」です。

室生龍穴神社

 

善女龍王」は「弘法大師」が、京都にある寺院「神泉苑」で雨乞いを行った時に現れた龍王としても知られています。

神泉苑(しんせんえん):空海による善女龍王伝説、源義経と静御前の出会いの場、祇園祭の発祥の地
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室生龍穴神社本殿

拝殿の後方、奥には本殿があります。

室生龍穴神社

 

1671(寛文11)年に建てられた朱塗りの春日造りの建造物で、県指定文化財にもなっています。
本殿の左右には、宗像三女神の一柱「道主貴神社(市杵島姫命)」と、「天照大神」が、
天の岩戸へ隠れた際に引っ張って外に連れ出したとされている「手力男神社(手力男命)」が祀られています。この本殿は、「春日大社若宮社」の旧社殿が譲られたものとされています。
この本殿から見える奥山には「竜神」が住むと伝えられています。

室生龍穴神社

 

神社の境内

神社の周りは、杉の巨木に覆われています。

室生龍穴神社

 

室生龍穴神社

 

室生龍穴神社

 

また、境内は苔に覆われ、静かで落ち着いた空間になっています。

室生龍穴神社

 

室生龍穴神社

 

狛犬は、足元には子犬が一緒にいる可愛いものです。

室生龍穴神社

 

作法の説明イラストが可愛い「手水舎」。

室生龍穴神社

 

室生龍穴神社

 

連理の杉(夫婦杉)

境内には、2本の杉の木が根元の方で一体化している「連理の杉」があります。別名を夫婦杉といい、「縁結び」のパワースポットとされ、「夫婦円満、家運隆盛」などのご利益があるといわれています。

室生龍穴神社

 

室生龍穴神社

 

室生龍穴神社へのアクセス

室生寺前バス亭から、食事処やお土産物屋などが並ぶ室生寺の参道を進みます。

 

室生寺を左手に見て、さらに歩きます。

室生龍穴神社

 

しばらくすると、神社の看板が見えてきます。

室生龍穴神社

 

吉祥龍穴(きっしょうりゅうけつ)

妙吉祥龍穴

室生龍穴神社の奥宮であり、龍が住むとされる「龍穴」です。龍穴神社の本殿から約1.5kmほど後方の山の中に位置しています。
滝から流れ出る水流のわき、岩が柱状になる「柱状節理」の下に開いた洞穴で、しめ縄がわたされていて、古くから「妙吉祥龍穴」と呼ばれていました。

室生龍穴

 

吉祥龍穴

 

吉祥龍穴

 

龍穴の対岸には「拝所」が設けられています。靴を脱いで上がり、ここから参拝することになります。かつては、雨乞いの神事がこの地で行われ、最近ではパワースポットとして人気の場所でもあるようです。

吉祥龍穴

 

吉祥龍穴

 

吉祥龍穴

 

後の「桓武天皇」である「山部親王」が病気になったとき、病気平癒の祈祷がおこなわれた場所がここだと伝わっています。
病気が治った「山部親王」の勅命によって、「室生龍穴神社」を管理する神宮寺として創建されたのが「室生寺」です。

 

室生龍穴神社から吉祥龍穴へのアクセス

龍穴神社」から、奥宮である「吉祥龍穴」へ道順案内が、神社の境内に用意されています。

吉祥龍穴

 

案内に沿って神社前の舗装された道を、室生寺とは反対方向に進みます。右側には室生川が流れています。

吉祥龍穴

 

吉祥龍穴

 

吉祥龍穴

 

吉祥龍穴

 

しばらくすると、山道への分岐点の案内板が見えてきます。

吉祥龍穴

 

山道をどんどん上がっていきます。道は鬱蒼とした森の中を通り、落石注意の表示も見られます。この一帯は「室生赤目青山国定公園」に含まれています。

吉祥龍穴

 

吉祥龍穴

 

吉祥龍穴

 

山道の途中では、川の向こう岸の森に野生の鹿の姿が見られました。

吉祥龍穴

 

吉祥龍穴

 

さらに進むと途中に「天の岩戸」があり、二つに割れた岩と祠が右手に見えてきます。そこからさらに山道を進みます。

吉祥龍穴

 

少し先、道の左手に龍穴参道入口の鳥居が見えてきます。

吉祥龍穴

 

鳥居から細く急な道を降りて行きます。

吉祥龍穴

 

吉祥龍穴

 

森の木々の緑と苔の美しさが目をひく、静謐なスポットです。

吉祥龍穴

 

細道を降りていくと、屋根の付いた拝所が見えてきます。

吉祥龍穴

 

拝所から、向かい側の「吉祥龍穴」を拝する形になります。
拝所は板の間になっており、スリッパも用意されているので、靴を脱いで上がらせていただきます。

吉祥龍穴

 

天の岩戸

吉祥龍穴のすぐ近くには「天の岩戸」があります。

吉祥龍穴

 

太陽神である「天照大神」がここに隠れ、世界が真っ暗になってしまった場所とされるもので、宮崎県高千穂町、三重県伊勢市、滋賀県高島市など、日本各地にある天照大神の「岩戸隠れ」の伝承地の一つとされています

二つに割れた岩があり、注連縄で祀られています。

吉祥龍穴

 

岩戸の奥には朱塗りの祠もあります。

吉祥龍穴

 

おわりに

国宝の十一面観音菩薩像などで有名な、観光客が多く訪れるお寺「室生寺」ですが、室生寺が創設されたきっかけは、室生龍穴神社の奥宮「吉祥龍穴」での、皇太子時代の「桓武天皇」の病気平癒の祈祷によるもので、室生寺より古くからこの地に鎮座している由緒ある神社です。

室生龍穴神社

 

「室生寺」を参拝することがあれば、ぜひその機会に「室生龍穴神社」奥宮「吉祥龍穴」も訪れるのがお勧めです。
「室生寺」から「室生龍穴神社」へは徒歩10分、「室生龍穴神社」から奥宮「吉祥龍穴」へは徒歩15分という距離感です。

アクセス

住所:〒633-0421  奈良県宇陀市室生1297

近鉄大阪線「室生口大野駅」から奈良交通「室生寺前」行きバスで14分、「室生寺前」終点下車。

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