青島神社:亜熱帯植物群と鬼の洗濯板に守られた、小さな神話の島にある赤い社

青島神社

宮崎県宮崎市青島、周囲1.5kmほどの小さな島にある「青島神社」。青島全島が境内であり、平安時代の初期にはすでに存在していたと伝えられています。

 

かつては一般人が入ることは許されませんでしたが、現在は青島にかかる「弥生橋」を渡って参拝することができます。

 

縁結びのご利益、本殿

弥生橋を渡りきると大鳥居が見えてきます。

 

さらに進み、左に曲がると「海幸彦・山幸彦」神話で知られる青島神社になります。

 

神門をくぐると本殿です。

 

 

振り向くと、神門によって額縁のように切り取られたを海が望めます。

 

神門前の手水舎

 

ここは神話「海幸彦・山幸彦」の舞台であり、神社に祀られている山幸彦豊玉姫が結ばれた地であることから、縁結び、恋愛成就にご利益があると言われています。

ハート形の絵馬やオブジェ、恋みくじなどがあり、境内には恋愛成就祈願のアイテムが多数あります。

 

ハート型の絵馬奉納場所。

 

祈りの古道と元宮

本殿に向かって右手に「元宮」への入り口があります。

 

中に進むとすぐに絵馬で出来たトンネル「祈りの古道」です。

 

亜熱帯の樹木が鬱蒼と繁る中をさらに進むと小さな赤い社、元宮が見えてきます。

 

元宮は青島のちょうど中心に位置しており、大元の社殿はここにあったとされ、弥生時代頃から祭祀が行われていたと伝わります。青島で一番エネルギーが満ちて、パワーの強い場所だそうです。

 

青島全体を覆うように繁り、元宮の周囲を取り囲むのは、約5000本の亜熱帯植物の「ビロウ樹」です。国指定天然記念物にも指定されています。
皇室の祭祀には、青島のビロウ樹が献上されていたといわれています。天皇や関白等の手車の屋根に用いられたり、沖縄では「くば」と呼ばれ、神降り木として御嶽や拝所などに多く見られる御霊木です。

 

 

お守りの絵柄も南国風。

 

元宮に向かって左側にあり、寄り添うようにそびえる「夫婦ビロウ」。願い事によって色が違うこよりを結ぶ「産霊紙縒(むすびこより)」があります。

 

そのすぐ右には、土器の皿を願い事を呟きながら投げ入れる「天の平瓮投げ(あめのひらかなげ)」があります。手前のこちらで代金を納めて平瓮をいただきます。

 

二礼した後、願い事をつぶやいて平瓮を投げいれます。入ると願いが叶い、割れると開運厄除になるとのことです。

 

元宮の右側にあるのが「真砂の貝文(まさごのかいぶみ)」。
青島は波状岩の上に貝の砂がたい積 して出来た島で、貝の中でも「宝貝」が特に真砂と呼ば れています。神社の前の海岸でこの宝貝を探し、貝に願いを込めて奉納し、祈願する場所です。

 

青島の周囲

青島は周囲約1.5kmの小さな島で、歩いて島を一周することができます。


青島の周りには、国の天然記念物に指定されている「鬼の洗濯板」と呼ばれる奇岩の景色が広がります。
大昔に海面下にあった水成岩(固い砂岩と軟らかい泥岩が繰り返し積み重なった地層)が地質変動によって水面上に現れ、波や海水に浸食されて現在のような形が出来上がったものとのことです。

 

 

 

青島神社を覆う亜熱帯性植物群を外から眺めながら、奇岩の拡がる海岸沿いの道を、潮風に吹かれながら歩くのも気持ちが良いものです。

 

ビーチから神社まで「トゥクトゥク」も走っています。

 

橋を渡る前のビーチには「幸せの黄色いポスト」があります。

 

昼間の青島

宿泊したホテル「青島グランドホテル」の屋上は温泉の露天風呂があり、そこからビーチと青島が眼下に望めます。

 

 

昼食は青島漁港にある宮崎市漁協直営の食事処「港あおしま 」で、海鮮丼をいただきました。
値段もリーズナブルで美味しく、店内から青島や漁港が見渡せます。

 

 

そして青島の名物「ういろう」、うるち米と砂糖を使っただけの昔ながらの素朴な味でした。

 

日が暮れてからの青島

日が暮れてからもビーチを散歩する人が多く、ベンチでのんびりするのもお薦めです。

 

 

晩御飯は海鮮料理を中心とした食事処「鬼扇(おにせん)」でいただきました。このあたりで美味しくて有名なお店で、値段も高くなくてお薦めです。

 

この日は宮崎名物「チキン南蛮」を選びました。お酒は地元の芋焼酎 飫肥杉(おびすぎ)、飲みやすく料理ともに美味しかったです。

 

早朝の青島

青島神社の参拝は朝の6時から可能です。朝日を背にした青島は神々しく、清々しい空気の中、観光客や参拝者の少ない朝のお詣りは、お薦めです。

 

 

 

 

日向神話館

青島は、「海幸・山幸」の舞台となった神話のふるさとですが、神社の境内に、日本で初めての蝋人形神話館「日向神話館」があります。

日向の地への天孫降臨から、「海幸・山幸」の物語、そして神武天皇による大和平定までを三十体の蝋人形と十二の場面で再現されています。

 

 

 

 

宮交ボタニックガーデン青島(県立青島亜熱帯植物園)

青島の西岸に位置する「宮交ボタニックガーデン青島」。青島に自生するビロウをはじめ、フェニックス、女王ヤシ、ナツメヤシの他、ブーゲンビリアやハイビスカスなどの色鮮やかな南国の木や花々を眺めることができます。

 

 

フェニックス、女王ヤシ、ガジュマルなどの珍しい亜熱帯植物が繁茂する大温室「青島亜熱帯植物園大温室

 

 

 

 

熱帯果樹温室」には、パイナップル、パパイヤ、スターフルーツなどの果樹が植栽されています。

 

園内にある「パラボラチョカフェ」では、県産の完熟マンゴーを使用したスムージーやパフェ、フルーツジュースなどを味わうことができます。

宮交ボタニックガーデン青島 | 宮交ボタニックガーデン青島 - Miyakoh Botanic Garden Aoshima

 

おわりに

JR青島駅~参道

亜熱帯のジャングルに囲まれた神社は、日本の神社と沖縄の御嶽のを併せた独特の雰囲気を持ち、また、青島は古事記の神話の舞台でもある場所でもある神秘的なエリアです。
ご利益が恋愛成就縁結びのため、若い人、女性の参拝客も多くみられます。

小さな無人駅である「JR青島駅」を降りて、御土産物屋、売店の並ぶ参道を抜けると目の前に青島が現れます。

 

 

 

「吉本ばなな」の小説「鬼っ子」

青島が舞台の「吉本ばなな」の小説「鬼っ子」。短編集「さきちゃんたちの夜」に収録されています。スピリチュアル寄りの小さな短編ですが、何度も読み返したほど好きなお話です。
自分にとって、「自分がどういう種類の人間で、どう生きていくのか」を考え意識させられるものでした。青島に行くのであれば、ぜひ行く前に読んでみてほしい小説です。

 

 

アクセス

住所:〒889-2162 宮崎県宮崎市青島2丁目13番1号

JR日南線「青島駅」下車徒歩約10分
バス「宮崎交通 [965]宮崎駅-空港・日南-飫肥飫肥(堀切峠・道の駅フェニックス・鵜戸神宮経由)行」青島バス停下車すぐ。JR宮崎駅より約53分

 

参拝時間6:00から日没まで 季節により夕方は変わります

青島神社

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