月読神社(つきよみじんじゃ)
現在は「松尾大社」の摂社となっていますが、創建は松尾大社よりも古く、日本全国の神社を記した平安時代初期の書物「延喜式」にも記されている神社で、ご祭神は「月読尊(つきよみのみこと・つくよみのみこと)」です。
赤い鳥居をくぐり、石段を上がると「神門」です。
本殿・舞殿
「本殿」
ご祭神の「月読尊(つきよみのみこと)」は、「天照大神(あまてらすおおかみ)」の弟であり、「素戔嗚尊(すさのおのみこと)」の兄です。天照大神が太陽の神様であるのに対して、月読尊はその名前の通り月の神様です。月読神社の本社は遠く長崎県の壱岐島にあり、そこから分霊されたとのことです。
ご利益は、子授け・安産、縁結び・恋愛成就、学問向上、海上交通安全・水難除、罪穢ればらいです。
「天照大御神」は伊勢神宮に、「須佐之男命」の子孫は出雲大社に祀られ、多くの神話伝承が残っていますが、「月読命」は、たった1つの伝承しか残っていない謎の神様です。
天照大御神、須佐之男命をご祭神とする神社は全国にそれぞれ1万以上ありますが、「月読命」をご祭神とする神社はたった85社しかないそうです。
「舞殿」
本殿の前には立派な舞殿が在ります。
月延石(つきのべのいし)
本殿の右側に「月延石」が祀られています。
身重だった「神功皇后」が月神の託宣を受けて、神石をもってお腹を撫で、無事に男児(後の応神天皇)をお産みになったという言い伝えがあり、その石が月読神社に祀られています。神功皇后の伝説と、「月のものが延びる」という名前から、安産のご利益があるとされています。
現在では「戌の日」に安産の特別祈祷が行われ、祈祷後「安産祈願石」に名前を書き、月延石の前にお供えしてお参りをするという風習が残っています。
社務所で「祈願石」を拝受し、「祈願石」に名前を書いて、月延石へお供えします。お供えする際に「月延石」を撫でて祈願します。「安産祈願石」は社務所で販売されています。
むすびの木
「月延石」のすぐ横に生えている「むすびの木」。
縁結び・恋愛成就のご利益があるそうです。幹の中ほどで3本の木が繋がってます。
解穢(かいわい)の水
山中より境内に流れ出ていて、罪、穢れを除くという「解穢の水」。この水は世俗の垢を流し、自己の内にある穢れを除いてくれるのだそうです。昔はこの水を飲めたようですが、今は飲用には適さないとあります。
願掛け陰陽石
「願掛け陰陽石」は、左右の2つの石を撫でて願い事をすると願い事が叶うといわれています。
聖徳太子社(しょうとくたいししゃ)
本殿右手に在る「聖徳太子社」。ご祭神は「聖徳太子」で学業成就のご利益があります。月読尊を崇敬されていた聖徳太子を祀ったと言われています。
御船社(おふねしゃ)
本殿左手に在る「御船社」。主祭神は「天鳥船神(あめのとりふねのかみ)」で海上交通安全、水難除、交通安全のご利益があります。
おわりに
京都にある松尾大社の摂社で「安産守護のお社」として古くから親しまれてきました。それほど大きくなく、ひっそりと佇む神社ですが、歴史は長く、格式の高い神社です。
小さな神社ながら、子授け・安産のご利益、縁結び・恋愛成就、学問向上、海上交通安全・水難除、罪穢れ祓いと、ご利益が盛りだくさんです。
観光客が多く訪れる「苔寺」「鈴虫寺」から近く、ぜひ一緒に立ち寄ってみることをおすすめします。
アクセス
住所:〒615-8296 京都市西京区松室山添15
市バス「松尾大社前」下車 徒歩約10分
阪急嵐山線「松尾大社駅」下車 徒歩約10分
http://www.matsunoo.or.jp/tukiyomi/index/
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