鹿島神宮(かしまじんぐう):勝利の神様を祀る、関東最古で最大の神社。神の使いの鹿と、地震ナマズを押さえる要石。

鹿島神宮

関東地方最古・最大の神社であり、全国に約600社ある鹿島神社の総本社。神武天皇元年、紀元前660年の創建といわれ、国宝や重要文化財を数多く有する格式の高い神社です。
御祭神は、日本建国・武道の神様である「武甕槌大神(タケミカヅチノオオカミ)」です。
境内の敷地は東京ドーム15個分に及びます。

鹿島神宮

 

大鳥居を進むと、高さ約13m、日本三大楼門の一つといわれる「朱塗りの楼門」が現れます。

鹿島神宮

 

鹿島神宮は「始まりの地」とも呼ばれ、物事や人生の旅立ちの際にお参りするとご利益があるといわれています。

 

拝殿・本殿・仮殿

楼門をくぐるとすぐ左手に手水舎があり

鹿島神宮

 

右手には、拝殿・本殿があります。
本殿・石の間・幣殿・拝殿の4棟からなる社殿。元和5年((1619)、「徳川2代将軍の秀忠」が寄進したもので、重要文化財に指定されています。裏手には御神木がありますが、立ち入り禁止で、手で触れることはできません。

鹿島神宮

 

拝殿の右前方にある「仮殿」
仮殿は本殿の造営に際して、神霊を仮安置するために設けられた建物です。元和5年(1619年)、本殿の造替時に建立されたもので、国の重要文化財。建てたのは、本殿、拝殿などと同じ、徳川秀忠の忠臣、幕府大棟梁の鈴木長次
造営当初は拝殿の左前方にありましたが、その後2回の移動があり、昭和26年、現在の場所に移されました。

鹿島神宮

 

奥宮

「徳川家康」が関ヶ原戦勝の御礼に奉納されたもので、元々は現在の本殿の位置に本宮としてありました。その後、「徳川秀忠」による本殿寄進があり、現在の場所に移され「奥宮」と位置付けられました。
奥宮には神の荒々しい側面、荒御魂(あらみたま)が祀られて、
勝負運、決断力、行動力等の強さや勇気、前進のご利益があるといわれています。反対に穏やかな面を和御魂(にぎみたま)と言います。荒御魂に参拝する時は、音を出して手を叩かないよう詣りします。

鹿島神宮

 

奥宮の裏側にも御神木がありますが、こちらの御神木は直接手で触れることができます。

か

 

奥宮に至る、奥参道入り口

 

杉の巨木が連なる奥参道。県の天然記念物に指定されている境内の森は、約700種類もの植物が群生していて、植物学的にも貴重な森です。奥宮までの300m程の奥参道は、5月1日には流鏑馬神事が執り行われます。

鹿島神宮

 

鹿島神宮

 

要石(かなめいし)

地震を引き起こす大鯰(おおなまず)を押さえつけるための石とされるこの要石
地上に出ている部分は直径30cmほどですが、地中には巨石が埋まっているといわれています。
水戸黄門仁徳録」には、「水戸藩主・徳川光圀」が要石の周囲を7日7晩掘り起こしても根元に届かなかったと記されています。
現在は地表面に出ている僅かな部分を柵越しに見ることができます。

鹿島神宮

 

鹿島神宮

 

鹿島神宮の兄弟神社である香取神宮には、尻尾を押さえているといわれる要石が存在します。
香取神宮にある要石は凸型で、鹿島神宮の要石は凹型とされています。このために、鹿島地方には地震が起きない、起きても大災害は免れると伝えられています。

要石へは、奥宮の先を右手に曲がり進みます。まもなく、大なまずを抑え込む「武甕槌大神(たけみかづちのおおかみ)」の石像が現れます。

鹿島神宮


鹿島神宮

さらに石像を先を進むと要石にたどり着きます。
鹿島神宮 

御手洗池(みたらしいけ)

奥宮を過ぎ左方向に進むと、境内の奥に「御手洗池」があります。
古くは参拝する前に禊を行っていた場所で、1日40万リットル以上もの量の天然水が湧くといわれています。言い伝えでは神代の頃に一晩で湧き、以後は枯れたことが無いという奇跡の泉です。

鹿島神宮

 

湧水の透明度から、池の底が見渡せるほどです。鳥居の上に倒れ掛かるシイノキが水を求める龍の姿にも見えます。またこの池は、大人が入っても、子供が入っても、水面が胸の高さを超えないとされ、鹿島神宮の7不思議のひとつとして数えられています。

鹿島神宮

 

清水が湧き出る所では、ペットボトルなどに神水を汲んで持ち帰ることができ、人が列を作っています。

鹿島神宮

現在でも大寒には、神職・一般参加者約200人が大寒禊を行っています。
湧水で身を清め、一年の幸運を祈願します。男性は褌姿で、女性は白の襦袢を身につけて入水する荒行です。
鹿島神宮

 

さざれ石

国歌の「君が代」にでてくる「さざれ石
全国各地の神社にありますが、鹿島神宮にも「さざれ石」があります。

鹿島神宮

 

さざれ石は、長い年月をかけて小石の欠片の隙間を炭酸カルシウム水酸化鉄が埋めることによって、1つの大きな岩の塊に変化した石灰質角礫岩のことです。

鹿島神宮

 

鹿園

神話では、鹿島神宮の御祭神である「武甕槌大神」の所へ、「天照大御神」の命令を「天迦久神」という神様が伝えに来たそうです。「天迦久神」は鹿の神霊ということで、鹿島神宮では鹿は神のお使いとされています。
現在、鹿島神宮の鹿園では、30数頭の鹿が飼育されています。

鹿島神宮

 

西暦767年、奈良に春日大社を創建する際には、鹿島の神様「武甕槌大神」の御分霊を、鹿の背中に乗せてお遷ししたと伝わっています。

鹿島神宮

 

霊杉木(れいさんぼく)

鹿島神宮

かつて幹回り2丈5尺(約7m50cm)あったとされる杉の巨木ですが、雷による火にかかり、さらに1654(承応3)年の大風で倒れました。しかし、400年を経た現在でも株根は生存しているいわれている霊木です。

 

大助人形(お鹿島さま)

藁を編んだ高さ1メートルほどの武者人形で、腰には篠竹の刀を差し、墨で書いた顔を半紙に描いたものです。

鹿島神宮

 

鹿島神宮の「大神」が東北の地を平定した際に加勢した兵の化身と伝えられていて、疫病などを防ぐとの言い伝えがあります。地元では約50年前まであったという風習で、新型コロナウイルス感染症の早期終息を願い、神宮が公の祭事として採用しされました。

鹿島神宮

 

末社・摂社

御厨社

ご祭神は「御食津神(みけつかみ)」。鹿島神宮の神饌を預かる神です。

鹿島神宮

 

高房社

ご祭神は「建葉槌命」。
武甕槌大神」に服従していなかった「天香香背男」を抑えるのに大きな貢献をしたとされます。 高房社を参拝してから本宮を参拝する習わしがあります。

鹿島神宮

 

大国社 

ご祭神は「大国主命」。
御手洗池前にあります。明治以降に祀られた社です。夏越祓の日、西瓜を供えて参拝します。

鹿島神宮

 

熱田社

ご祭神は「素戔嗚命(すさのおのみこと)」、「稲田姫命(いなだひめのみこと)」。古くは七夕社といわれた農業守護の神です。 

鹿島神宮

 

売店

成毛売店 」

鹿島神宮

奥宮の前にある甘味処です。人気は「抹茶と厄除ぜんざい」とのことです。甘味だけでなく、「抹茶ビール」や「豚汁」「煮込みおでん」等の軽食もあります。
ここを先に進むと御手洗池になります。

 

「甘味処「一休(ひとやすみ)」」

「御手洗池」の隣にある甘味処「一休(ひとやすみ)」。「御手洗池」の湧水を使わった料理やドリンクメニューを味わえます。

鹿島神宮

湧水茶屋 一休(ひとやすみ)鹿島神宮境内みたらしの池
自然の音の中ですごせる、「ほっと」した時間を一休でお過ごしください。

 

鹿島神宮

御手洗池の神水を使った「湧水二八蕎麦」、「天麩羅」「おでん」など食事メニューや「三色団子 」「みたらし団子」「 わらび餅抹茶セット」などの甘味、「ところてん」 コーヒ、ジュースや、あま酒、アルコールもあります。

 

「鳥居のすぐそばの第一駐車場前の売店やカフェ、飲食店。」

鹿島神宮

 

おわりに

勝負必勝の神である鹿島神宮。地元の強豪サッカーチーム「鹿島アントラーズ」は、シーズン開始前に、選手・スタッフによって御神前にて必勝祈願がなされます。
鹿島神宮の鹿は神の使い、神鹿(しんろく)と呼ばれますが、アントラーズは英語で「鹿の枝角」の意味です。勝負に勝ちたいときに、祈願に訪れたい神社です。
地震を起こすナマズを押さえているといわれる「要石」や国家に君が代に歌われる「さざれ石」、常に湧き続ける神水を汲める「御手洗池」など見どころが多く、また巨木に覆われた広大な神宮の森では、森林浴の効果があやかれます。

アクセス

住所:〒314-0031  茨城県鹿嶋市宮中2306-1

JR鹿島線「鹿島神宮駅」より徒歩で10分。
「東京駅」鹿島神宮の直通のバス「かしま号」。「ジェイアールバス関東」と「関東鉄道」、「京成バス」の共同運行。

TEL:0299-82-1209

HP http://kashimajingu.jp/

 

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